コンパートメント症候群
◆ コンパートメント症候群(筋区画症候群)
- コンパートメント症候群とは?
複数の筋肉がある部位では筋ごとに区画(コンパートメント)に分かれて存在しています。
骨折や打撲などの外傷が原因で筋肉組織などの腫脹が起こり,区画内圧が上昇することで筋・血管・神経
などが圧迫され,壊死や神経麻痺を起こすものを言います。
また、マラソンなどのトレーニングで下腿の筋肉が肥大してきた時、筋膜はそれに伴ってすぐには拡大しな
いために区画内の圧が高まり、筋の虚血が生じて発生する時もあります。
(前腕のコンパートメント)
(手のコンパートメント)
(下腿のコンパートメント)
- 発生原因は?
1. 急性型 ‥‥‥ 骨折、打撲、筋断裂などにより発生。
2. 慢性型 ‥‥‥ 持続運動による疲労性の組織損傷に伴って発生。
過度の長距離歩行・ギプスによる過度の圧迫など。
- 症状は?
1. 筋区画に発赤や腫れが出現。
2. 疼痛(手でストレッチをすると激痛を伴う)
3. しびれ(神経圧迫による)
- 検査と診断は?
1. 確定診断では筋肉内の圧を測り、反対側と比較します。
2. 腫脹・疼痛・圧迫痛が著明な時には疑ってください。
- 治療の方法は?
1. 急性型 ‥‥‥ 早急に処置しないと筋肉の壊死を見るので、筋膜の切開・血腫の
除去を行います。
2. 慢性型 ‥‥‥ 軽度の場合には鍼治療が有効です。
筋区画内圧が40mmHg以上の場合には筋膜切開(減張切開)が
必要となります。
- 応急処置は?
1. まず局所の安静、拳上(上に持ち上げる)を行います。
2. アイシング(冷却)を行ってください。
3. 急性のもの、慢性でも高度のものは早急に専門医を受診して下さい。